ベルギーのレーシング・サーキット”スパ・フランコルシャン”に隣接する博物館にひっそりと佇む1970年代の日本製フォーミュラワンカー。このレースカーは日本のモータースポーツ史においてすら、まず語られることはありません。そもそも語り継がれるべき実績がないため、その扱いも当然なのですが、少なくとも以後40年以上現在まで”唯一無二”の存在であることは事実のようです。 1974年、日本に突如現れた”マキ”レーシングチームと名乗る数人の若者達は、自社設計・自作のレーシングカーで世界最高峰のフォーミュラワンレースに挑戦することを発表。割愛するのが惜しいほど奇抜なプロモーションや、多額の参戦費用を賄う独特の資金調達で、2シーズン余り同レースに参戦し、ヨーロッパを転戦します。(写真は1975年の仕様)日本の自動車メーカーから一切の協力を仰ぐことのない独立系日本人チーム単独での挑戦は現在に至るまでこのチームのみで、そのスピリットを象徴するのが、運転席カバーの”手のひらマーク”ステッカー。これは挑戦者マキに共感し、日本が発祥の作業用”軍手”をヨーロッパで売ることを目論んだ会社がスポンサーであったためとか。 残念なことにマキレーシングは、リザルトを残すことは出来ず、また独自参戦という事情もあってその存在も殿堂入りすることなく完全に忘れられましたが、構成メンバーの多くは、チーム解散後に自動車関連事業で独立し大成功します。 一方、”軍手”のヨーロッパ市場はどうなったのでしょうか。無事に浸透したのでしょうか。 作業コートを販売する弊社としてはすこし気になるところです。 |
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EMOミラノ2105がせまり、将来の企業ビジョンを見据えた設備投資の有力候補はどうあるべきか?とわくわくと思いをはせるビジネス・パーソンもいらっしゃると存じます。 しかしながら、国際見本市レベルの展示会ともなると、さてどこからみようかなどという悠長なことが認められないほどに規模が大きく、限られた時間内に事をなしとげる事は容易ではありません。 一方、写真は1980 年代のソビエト時代の工作機械見本市の公式ポスター。ロシア語のコピーを勝手に無視したとしても直感的に見事に伝わる本質的メッセージ、”切粉がキャッシュの源泉であること”・・・共産主義時代とは思えぬほど、機械加工ビジネスのアイコン化に成功しています。今回のEMOミラノでは、30年を経た現代の”切粉(除去量)とキャッシュ(コストやアウトプット)との関係”にご注目されてはいかがでしょうか。 さて、切粉といえばクマー・ハードターニング。精密研削仕上げの代替としてのハードターニングは従来の粗研削工程の代替にとどまりません。直感的に理解が可能な超精密ハードターニングの優位性を、EMOミラノ2015で理由付けしてみて下さい! |
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