RC64程度までの高硬度材料に対してCBNやセラミック製のチップによって旋削加工を行うことは、欧米を中心に実用化されて一般化されつつあります。
材料の応用は:
■ベアリング鋼
■工具鋼
■高速度工具鋼
■ダイス鋼
■ワスパロイ合金、ステライトなどの航空宇宙業界用材料
■ハードクロームコーティング材
などにまで拡大しています。
具体的な製品応用例は、ベアリング、ギアシャフトやインジェクター部品といった、質・量ともに高次元の品質が要求される自動車の量産部品から、その柔軟性を活かして様々な業界の試作用途にまで拡がっています。
また、ハードターニングは引っ張り応力となるので避けるべきという通説がありますが、欧米では逆に圧縮応力になるというのが一般的な見方であり、これはむしろなんらかの理由で異常な発熱が急冷されたことにより引っ張りとなったものである可能性があり、研削においても条件が揃えば同様の現象は発生します。また加工面の白層についても同様であり、むしろハードターニングによる白層が(研削よりも)薄いという研究結果が英国の学会で発表されています。したがってこれ以上、ハードターニングの導入に躊躇する理由をもはや見出せない状況にあります。