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儲かる機械??? What is the essencial capability?







2017/03/6


まぁようするに導入すれば「儲かる機械」ですよ




作機械のプロモーションにおいて、機械供給サイド(売り手)からこのようなフレーズを投げかけられたことはありませんか?話し手の醸し出す香りとしては:

●世の中の機械メーカーの多くは、「いかによい機械か」とかいいたくて仕様、加工例などを嬉々として競ってPRしている。基本「好き」なんでしょうね・・・
●それはいいとしても、でもそれってユーザーが求めてるのでしょうか?
いつもそれではワンパターンでマンネリだし、それっていかにも供給サイドの視点でしょう?
●ユーザーのニーズに応えるのがマーケティングの本質のはずで。。
●そのユーザーの関心は、投資に対するリターンであるはず。機械はいいかえれば「固定資産」で、つまりそれは「儲けるためのもの」ですから・・

話し手の口ぶりから察するに、「このようなストレートな表現はぶしつけだと思ってはおりますが、いつもおなじみのお話ばかりでは・・まぁマニアなら別としても・・わたしのように”儲かるか”にフォーカスする者がいてもいいのではと思いまして・・・」的な、目端の利く切れ者のような表情で深遠さを取り繕いつつもけっこう得意満面です。



とつの表現スタイルとして、もしくは自分だけは気持ちよく落ちる決まり文句のようなもので、先方の意思決定を促したい、背中を押したいという思いがそうさせるとも察しますし、たまには戦略コンサルタント的な切り口でコメントしたら新しい切り口として新鮮に映るかなぁという悪気のないごく軽い動機のようであったりと様々ですが、いずれにせよその思うところは相手から丸見えのようで、つまりはコマーシャルのキャッチコピーのようなもの・・と軽く聞き逃される場合が多く、それってどういうことですか?というアテンションをひくこともないのが残念とも言えますが・・・いや、むしろ興味を引いてしまって説明を求められたりでもしたら、「えっ!」となって「導入されたお客様はみな盛況ですよ!!」と苦しかったり、または「あまり言えませんが、皆さん相当・・・」と曰くありげになんとか威厳を保ってクールに振舞うぐらいなもので・・説明になることのない、殆ど意味をなしえないものですが・・まぁいずれにせよ、従来の話し手と聞き手のバランスを揺るがすことのない、だからこそいまだ根強く残るフレーズと言えるかもしれません。



かし、「工作機械」が「固定資産」であり、その立場からは、利益を生むことが宿命であることに一切間違いはありませんので、このようにかんたんにこのフレーズを軽んじていつもいつも受け流してしまっては工作機械業界に係わる者としていかにも半端なので、例によって「儲かる機械というフレーズは、コマーシャル上の軽めのトークとして受け流されてしまうにはもったいないか?」としてフィージビリティ・スタディ風にメモってみます。

「儲かる」とはよく言われるように「@売上ーAコスト=B利益」で示される数式で表され、その機械の存在がゆえに、@の上昇 Aの下降 いづれかまたは両方に好ましい方向に作用して、Bが増えたと言えればよい、ということとしてみます。



儲かる:@ 売上の増加


「無敵の機械」なので「儲かる」でよいか?



としては、最強の性能を誇り、その技術的な無敵さゆえに、導入ユーザーと、それを導入していない(導入ユーザーからみた)競合他社とのパワーバランスを大きく崩してしまうような機械を導入するというようなケースが考えられます。もちろんそれにより解決可能なニーズが存在することが前提です。


他社には真似のできない加工方法や精度でこのニーズを独り占めする、圧倒的な加工時間とアウトプットで価格の参入障壁をつくるなど、ユーザーの取れる売上拡大作戦オプションにバリエーションをもたらすものと、一応ストーリーとしては考えることができます。多くの機械メーカーにとっては、こういうものを提供したい、こう思われたいという憧れとも言え、ある会社にとっては具体的な目標でもあるでしょう。この方向性に自社を重ねあわせる、つまり自信を持っている機械メーカーは、このような文脈から「だから儲かる」とつい言ってしまうことがあるかもしれません。



のような位置付けの機械の存在は、それがそうであればもちろん買い手・売り手ともに最高に嬉しいのですが、技術的に真に無敵かどうかには、その「程度の差」と「立場による見解の相違」があり、客観的な立場からは基本どんぐりの背比べであることが通常です。また、「いえいえここが違います」と説明をしなければ理解を得られないようなものであるならば、やはり”無敵”としての位置付けにはまだ遠く、せいぜい加点レベルとの評価、相対的なものとしての評価しかなされないはずです。このような相対的な差が重要になるため、だからこそ、この加点を最大限に認めてもらうべく「マーケティング・営業部門」が存在するのですが。



た、いずれにせよ”無敵”であったとして、この機械を導入したユーザーの「競合」も同様に導入すれば、その有利さは先に導入したという「先行者利益」に限定され、時間の経過とともにそれが狭まってくるのが通常ですので、やはり遅かれ早かれ競争を意識もしくは競争の渦中に巻き込まれざるを得なくなります。もとより、「儲かる」とプロモーションの場でいうためには、儲かっているユーザーの存在、導入実績が前もって必要なはずで、さらにそこに論理的説得力をもたせるためには、つまりそれが例外ではないということをいうためには数社のサンプルがかならず必要となるはずです。そうなると必然的にすでにまちがいなく2番手以降であることが明らかで、決め手は「先行者」においつくためには?という導入ユーザーの打ち手しだいということとなり、「儲かる」かどうかは競争状態にさらされる張本人、つまり買い手次第となります。したがって、「儲かる」というフレーズは、このような技術的に最高の条件であっても、供給側つまり部外者のコメントとしては、やはりキャッチコピー以上の意味を持ちえず、あらぬとりちがえをさけるためには、むしろそのまま受け流されてしまうことが幸いとさえ言えます。

 



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