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あまく危険な香りB Taking Risk 



2017/10/24

ジカル・シンキング、論理的な思考方法をビジネスにおける主に問題解決提案に活かすという説得手法は、欧米のMBA(経営学修士)スクールなどからの流用から2000年あたりを契機に大きなブームとなり、日本のビジネス界でたいへん大きな浸透を得ました。現在では、「ポイントは3つあります。ひとつは何々・・・」など結論をシンプルにとっかかりから示すなど、プレゼンなどでも応用のききやすい代表ノウハウは、もはや定番ともいえる表現となっています。



れどころか、これをそのままやってしまうと、受け売り感(コピペ感)がつよすぎるようで、あまりあからさまにやらない、例えば、3つありますと言っておきながら、指は2本立てつつ「あ、間違えました。受け売りはこれだから困ります」などと自虐を装った照れ隠しパターン、結論先だしは、むしろ無遠慮振りが際立ち、分かりやすい反面、ただでさえ懐疑的な肝心の相手から微妙に出だしから反感を買うことがわかって逆効果、懲りて後出しに変更、などのトラウマ変則パターンもあるようですが、これも大きな浸透あればこそです。



まや、市場や競争状況その他を、主張したい特定の目的から、説得力を増す特定の論理的枠組みで括って、複数の根拠からいえそうな帰結をこれもまた論理的に示す説得方法による流れ、情報収集→分析→洞察→アクションへとつなぐストーリーを頼ることなくして提案を行うことは考えにくくなっており、ましてや説得を目的とする設備投資の稟議プロセスこそ、この影響を大きく受けたことは当然です。



かしながら、この「論理(ロジック)」は、よく知られるように古代ギリシャのアリストテレスらの賢人が体系化したと言われる(Wikipediaのコピペ)、「説得の技術」であり、正解を導き出すための手段では元来ありません。あくまで、「説得」という自身の目的達成のための技術です。



とえば、論理的な説明に不可欠である「根拠」。じつはこれも、「根拠の根拠は?」「さらにそのまた根拠は??」「であるならばさらにその根拠は・・・?」と無限の問答を続けようと思えば可能、という宿命があります。
これを専門的には「無限後退
※参考文献下記」と呼ぶようですが、「後退」という単語が示すように、よかれと突き詰めていけばいくほど結論を出すことが前提の、将来にむけたアクション発動からどんどん無限に離れていきます。設備投資は将来への前向きな打ち手であるはずですが。。



うも、「論理的思考」が、なにごとかを「証明」するための特効薬である、つまり証明に至らないのは「あまさ」があるからだ、であるような混同が起こってしまいがちであるような気がします。「無限後退」が示すように、「論理的思考」は、どこまでいっても「証明」には至らず、「学説」にとどまる、という限界があるものの、とは言え、それは実用においてまずまずの納得感を形成するものである、という「こなれ感」とまでには浸透していないのかもしれません。



うなると、ものごとの説明は、説得力を増すためにはロジカルであろうとする態度は言うまでもなくもっともであるにせよ、これには限界があることを、時間という期間的制約が課されるビジネス、とくにタイミングというピンポイントでのマッチングが要求される「設備投資」の意思決定においては、よくよくどこかで思い出されなければならないのかもしれません。これをじつによく「説明」している、これも古代ギリシャの賢人ソクラテスについての逸話があります。

かのソクラテスを論破したのは、奥さんのクサンティッペだけだった

参考文献 10代からの哲学図鑑 マーカス・ウィークス著 スティーブン・ロー監修 日暮雅通訳 三省堂 2015年


うやら「無限後退」から逃れるには、どこかで説明なき原理、または独断によらなければならない、あの賢いソクラテスでさえもそうだったらしいよ。。。のであれば、このただでさえ非情なるビジネス社会、コンセンサス獲得のための「下からのボトムアップアプローチ」であったのならば。。常に厳しいのが常の上位決裁者のみならず、けっこう遠慮も躊躇もあまり必要ない、気の置けない同輩・同格者からも、ロジカル・シンキング全盛となった現代においては「おい、ところで、ここの論理的整合性なんだけど・・」と”まったくわるぎなく”、むしろよかれとの思いからこれでもかとどこまでいっても追求されてしまって、気がつけば「無限後退」の真っ只中・・・設備投資のための「日本特有の稟議システム」と「ブームとしてのロジカル・シンキング」との相性は、はたしてどうなのでしょうか。。。

                   

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